チョット笑えないマジな話
 

チョット笑えないマジな話〜ツーリング・処女航海編〜 2003/08/03
 ツーリングの旅も最終の3日目。いや、日付は既に変わって4日目の深夜に突入して いた。宮城県の古川から東北自動車道に乗り込んだものの、3日間の睡眠不足がたた って、関東圏内に入った頃から睡魔との戦いが限界に近づいた。バイク乗りの間ではし ばしば話題になる幻影を見るようになる。この幻影とは長時間の連続運転中によく現れ るのだが、視界の物体が人間に見えるというもの。赤いパイロンが赤い服を着た子供に 見えたり、大小の工事車両が親子連れに見えたりといった具合に。
 Uターンラッシュで東北道は大渋滞。ノロノロの運転中に突然視界が真っ暗になった。 意識はあるし、音はちゃんと聞こえるのにである。2秒、3秒、そして視界が戻る。居眠り だった。
 (ちゃんとしよう!)
そう心で念じるものの、再び視界が無くなる。10秒、15秒、今度は長い。後方の車からの クラクションで視界が戻る。
 埼玉県内のパーキング。芝生脇にバイクを止めると、そのまま倒れるように眠りに就い た。2時間後、スッキリしないまま再びバイクを走らせたが、再度の視界消失。次のパー キングに辿り着くと、東京までの残りの距離を付近の人に聞いて回ったのだが、口から 出る言葉は訳が分からず、辺りの人も困っていた。
 更に3時間ほどの睡眠をとり、頭も体もスッキリした。当時、東北道は首都高との連絡 はしておらず、川口で一般道から東京に向かった。途中、数ヶ月前まで通った大学のキ ャンパスに立ち寄る。夜明けの校舎。今までに見たことのない風景に感動しつつ、旅の 終わりを実感する。
 帰宅したのは午前7時。風呂に入る気力も無しに、深い眠りに就いた。昼過ぎ、電話の 呼び出しで起きた。仕事の同期職員からだった。(チョット笑える話〜ツーリング編 番外 〜)に続く。




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